日本病巣疾患研究会

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コロナ後遺症・慢性上咽頭炎症例3

動画1

内視鏡下経鼻EATで内視鏡と綿棒を対側の鼻腔から用いる従来からの方法です。(内視鏡綿棒対側法)

※1. E-TN-EATは、内視鏡下経鼻的EAT
※2. E-TO-EATは、内視鏡下経口的EAT
※3. 即時的白色化現象は、塩化亜鉛溶液が粘膜に接触すると即時に粘膜が白色に変化する現象で塩化亜鉛溶液を浸み込ませた綿棒がきちんと届いている範囲の目視に役立ちます。
※4. 黒斑は緑色の特殊な光を用いた内視鏡モードで粘膜下に内出血を起こしていることを意味し、上咽頭炎の診断ポイントになります。

 

動画2

内視鏡と綿棒を同じ側の鼻腔から用いる内視鏡綿棒同側法です。

金属軸綿棒の場合だと曲げ加工が自在なのですが、ご承知のようにアルミ軸綿棒や非ディスポーザーのルーツェ式綿棒などの金属軸綿棒が入手困難となってきており、紙軸綿棒を使わざるを得ない場面が今後増えてくると思います。紙軸綿棒の場合、強湾曲に加工ができないので、この内視鏡綿棒同側法のメリットが活きてくる(内視鏡綿棒同側法だと綿棒は強弯曲させなくても十分な経鼻EATが可能)と思います。

※経時的白色化現象は、塩化亜鉛溶液を用いたEATを繰り返していくと徐々に病的粘膜が引き締まり炎症が収まっていく現象です。白い筋状の変化です。内視鏡的な上咽頭炎改善の指標の一つと考えられます。

 

 

 

動画3は内視鏡動画だけでなく、術者と患者も映っているので全体像が分かりやすいかと思います。

出典:日本医事新報No.5007 2020年4月20日 堀田修、田中亜矢樹 上咽頭擦過療法(EAT)の臨床効果から見える慢性上咽頭炎が関連する多彩な病態 p30-36